北朝鮮、ロシア戦死者遺族にタワマン贈与…親たちは「そんなもの要らない」

「軍で勤務していた息子が重要な任務の途中、不意の事故で亡くなった」

そして、「戦死証」と朝鮮労働党の「党員証」が手渡された。

重要な任務の遂行中に死亡した人の家族には、労働党への入党、大学進学推薦、幹部登用、特別な配給など、様々な配慮が行われる。これは、成分(身分)が上昇したにも等しいと言えよう。

(参考記事:【徹底解説】北朝鮮の身分制度「出身成分」「社会成分」「階層」

息子がどんな任務に携わり、どこでどう亡くなったかについて、当局からは一切説明がなく、声を上げて泣くことも許されず、「このことは親戚や周りの人に絶対に言ってはならない」と固く口止めされた。

(参考記事:「捕虜になった北朝鮮兵」家族はこうして殺される

明澗に戻った夫婦は、郡党の責任書記に出迎えられ、車で自宅まで送ってもらった。そして、「既に話は付けてある」として、10日ほど仕事を休むよう言われた。